天使のうた１～西田東～

「天使のうた１」
前々からＢＬ関係のblogで名前を見かけていた西田東さんの最新刊を読みました。自分にとっては、これがお初の西田さんの作品です。あちこちで見かけるとおり、絵柄はかならずしも取っつきいいとはいえないし、お世辞にも「上手い」とはいえないし、「華麗さ」も「可愛さ」も無さそうなんですが…気に入りました～！この、何とも言えない雰囲気にやられました。山田ユギさんの時にも感じた面白さです。人と人の関係性の何とも言えない微妙な空気、切なさ、「愛」とは何？と問いかけたくなるような気持ちにさせる物語です。

この作品は、はたしてBLと呼んでもいいのか迷ってます。BLがBoysLoveの意味そのままの略称であるなら、自分には否というしかありません。♂×♂の描写有りならBLと呼ぶという広義な意味でのカテゴライズで言っても、なんだかBLっていうのが、なぜか似合わない気がします。これまた、多分年寄りJUNE世代のBLという言葉への、なんとなく感じる齟齬みたいな感情ゆえなのかもしれません。

まだ１巻目なので、この先どういう風に展開していくのか目が離せません。ミシェル先生とクリスの間は、恋愛に発展するのか？そうなった時に、アレックスとの関係はそれぞれどうなっちゃうんだろう？そもそも、クリスとアレックスの間にあるのは、父子としての愛なのか、もっと別のそれなのか、クリスとその父との間にあったものは何なのか…あ～、気になる気になる、先が読みたい！

これって、新書館の出してるBL漫画雑誌に連載されてるんですね。はぁ～、今ってホントにいろんなとこからその手の雑誌が出てるんだ…と、年寄りは驚くばかり。でも、これだけ読むために雑誌までは買えないですね、ホントに。（でも、「春抱き」のためだけにGOLD買ってるくせに～；；；）

実は、これを読んで西田さんの以前の作品を読みたくなって、一気にオク＆ブクオフ買いしてしまいました。で、一気に１０冊読んでしまったよ～。もうね、やっぱBL（ボーイズラブ）じゃないでしょう（笑）ＯＬだね、ウン、Oyaji Love（笑）デビュー作の頃の絵柄なんて、よくまぁ入選したね…って感じ。でも、まぁ、西田さんの真価は、その話作りにあると思うので、関係ないかな。それでも、段々絵が上手になってるのが、１０冊一気読みしたらよ～くわかりました。一番びっくりして驚嘆するのは、やっぱ「あとがき」の絵かな（笑）普通、プロならああいう絵柄は晒さないよね；；；

どっかのサイトレビューで読んで「ああ！」と納得したのが、「願い叶えたまえ」は「バナナフィッシュ」だという見解。なるほど！アッシュと英二とゴルツィネおやじ…言い得て妙でしたわン。そうやって読み返すと、深見の表情が、なんだかアッシュに似てるんだよね～。「バナナフィッシュ」はアッシュの死で終わるしかなかったけど、こっちはこの先のほのかな幸せの予感で終わってるのが、やはり昔と今の差かもと思いましたね。そもそも、西田さんの作品はには、悲劇ラストは似合わないのかもしれないです。いや、西田さんに限らず「今」は、悲劇ラストの物語が嫌がられる傾向があるような気がします。（ＢＬに限らずね）多分、現実がツライからフィクションではツライのはイヤだという思いが大勢を占めてるからなんでしょう。まぁ、ご都合主義的に幸せ大団円ラストに持っていくんじゃなければ、それはそれでいいですけどね。

「願い叶えたまえがＢＬＣＤになってるのを知り、ちょっと聞いてみたいな～と思ったんですが、イメージ違ったら嫌だしな…ということで、声優さんは誰が？と調べてみました。あ…ものすごい地雷が…メチャクチャ苦手な声優さんが…ダメだ、これは。というわけで、せっかくＣＤ化されてるけど、聞かないことにします。ちょっと残念。